明星山P6南壁 左フェースルート
2003年10月11日(土)~13日(月) 2泊3日 L:坂本多鶴(記)、SL:玉谷和博
今年の岩シーズンは4月初めに玉ちゃんが左足首を捻挫し(階段降りながらメール打つのはやめようぜ)、私も雪訓で密かに右膝をひねり、何故か2人とも整骨院通いを続けていた。という訳で、今年はフリーの練習だ!ということになる。
天気が今ひとつだった事もあり週末は室内壁通い。お盆は小川山。最初はお尻モゾモゾ状態で登っていた玉ちゃんもランナウトで山崎岳彦さんに習ってから、なかなかサマになってきた。クライミングジャーナルやロクスノで今までは読み飛ばしていたフリー関連の記事も面白く読み直せたしね。
でも、やっぱり本チャンに行って今年の成果を出さなくてはいかん!という事で、左岩稜以来である明星山に行くことにした。
10日(金) 上野駅23:33(急行能登)糸魚川駅4:45
出発の朝、キジ坊から車で明星行くから乗らない?とメールが来ていたが、もう急行の指定席も取ったし、電車の中で早々に眠りたかったので、悪かったけどことわる。そして、出発の夜、玉ちゃんは風邪気味のようだが、実は私も少々調子が悪い。酒も買わずに急行能登に乗り込み早く眠ろうとするものの、ウトウトする度に誰かの着信音がピピッとなり、この音が結構気になって、あまり眠れなかった。
11日(土) 糸魚川駅4:50(タクシー)ヒスイ峡キャンプ場5:30/9:00 取付 9:30/11:00
終了点16:00 キャンプ場17:30
糸魚川駅からタクシーに乗ってヒスイ峡のキャンプ場へと向かい、テントを張ってしばらく眠る。6時過ぎかな、キジ坊と松ちゃんの声が外から聞こえてきたので顔を出すと、左岩稜を登るとのこと。私たちはフリースピリッツの予定だったが、体調イマイチと睡眠不足で初日はP6南壁の初登ルートである左フェースを登ることにした。左フェースなら短時間で登れるので遅めでもいいだろうと、とにかく眠る。
9時頃起床、朝食を済ませて出発する。展望台手前の踏み跡を小滝川まで下降して見上げると、1ピッチ目にキジ坊と松ちゃんがいるではないか。さらに取り付きで1パーティ、対岸で1パーティの順番待ちだ。もちろん、キジ坊たちの前も数珠つなぎだ。左フェースは2ピッチ目までが左岩稜と同じなので、オールリードに突入した松ちゃんを眺めつつ、待つことにする。
11時頃になって、やっと順番がまわって来た。いよいよ登攀開始。
1ピッチ目(V、25m)は坂本。先行パーティが登った左側から登ろうとしたが、岩が落ち着いていない。右に移動するとハーケンがあった。そこを一段登り、右に回りこむと終了なのだが、先行と同じ左の壁をつい登ってしまった。これが結構いやらしかった。
2ピッチ目(V・A0、25m)は玉ちゃん。ここは右下に少し降りて、凹角を登るピッチなのだが、ここも先行と同じ正面を登ってしまう。これがまたいやらしかった。先行がいると、知らないうちにfollow youになっている。前にも同じピッチをそれぞれリードしているので、大いに反省。久々の本チャンでホント調子が狂っている。
3ピッチ目からは左岩稜と分かれて右上気味に登るが、暫くは上り下りが続くのでピッチ間隔は短い。このピッチからは空くだろうと思っていたのだが、左岩稜からパーティが流れてきているようだ。
3ピッチ目(Ⅲ、10m)は坂本。凹角をピナクルの上まで。大きなムカデや、浮いたホールドがあり、グレードよりいやらしく感じた。
4ピッチ目(Ⅳ、15m)は玉ちゃん。右の小カンテをたどるルートなのだが、記憶にないピッチ。5ピッチ目(Ⅲ、5m)は坂本。スラブから一段下がるが、ブッシュが掴めるし濡れていないので恐くない。
6ピッチ目(Ⅳ-、40m)は玉ちゃん。目の前の短いスラブを登って、草付き混じりの岩を右上。ここら辺から中間支点は少なくなってくるが、ブッシュが出てくる。
7ピッチ目(Ⅲ+、40m)は坂本。先行はいるものの先ほどの反省があるので、ルートを選びながら登る。ここも草付混じりを右上気味。
8ピッチ目(IV、40m)は玉ちゃん。スカイライン目指して右上し、垂壁先の凹角を登る。
9ピッチ目(Ⅲ-、40m)は坂本。ここからはブッシュ登りだが、ブッシュでなく岩を選んで登った方がいい。
10ピッチ目(Ⅲ-、40m)は玉ちゃん。立ち木も出てくる。
11ピッチ目 (Ⅲ-、30m)は坂本。先行は左のルンゼ状を登っているので、右側から登ると、中央バンドに出た。ここで16時、大岩に着。ここからブッシュの踏み跡をトラバースして、岩場をカンテ左に抜けるように登ると、踏み跡に出る。
ここからはザイルは必要ないが、そのままブッシュをトラバースして目印の大木に到着した。登攀装備をしまって、あとは下降。赤テープもついているが、傾斜の緩い小さな沢に出るまで、とにかくトラバースと下降を繰り返す。しかし、混雑で予想外に時間がかかったし、下降の暑さで汗だく、結構疲れた。
12日(日) キャンプ場8:30 温泉10:30/11:00 飯塚宅12:00/翌13日朝に帰松
翌日、キジ坊隊は今日が下山予定。昨夜雨降ったし、疲れたし、我々も一緒に帰ることにする。ひと風呂浴びての帰り道、千葉から長野の梓村にIターンした飯塚夫妻宅に電話すると運良く家にいるではないか。
焼肉セットと酒を買い込んで訪問し、昼から夜まで飲み続け、そのままお二階に泊めてもらいました。飯塚は相変わらず話す話す…(私たちも人の事は言えないけどさ)。久し振りに会った香代ちゃんも元気そうでした。
今回は久々の本チャンであったが、やっぱ外登らないと、あらゆる面で勘が鈍るな~と実感。室内壁で得たものもあるだろうけど、グレードだけ追ってたから、ちょっとやり方間違ったかなって。スポーツ的な部分はもちろん楽しいけど、目的や課題を持って登らないと今の自分にはメリット少ないなあと思った(メリット出るほどのグレード登れてないっていうのもあるけど)。
しかし、左フェースルート自体は面白いルートで、うまくバンドをつなげた、さすが初登と思わせるルートでした。先行がいない時に登ったら、もっと面白みが高まったと思う。そして、フリースピリッツは来年かな?
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