2004年8月6~8日 坂本、玉谷
8月6日:上高地7:00-横尾9:30~11:00-T4尾根末端の岩小屋14:00
上高地からテクテクと歩き、横尾でラーメンを食べて出発。水は4リットルずつの予定だったが、それ以上になってしまった。岩小屋から膝くらいの徒渉。いつもの事ながら冷たい。
対岸に渡ると1ルンゼ押出しの様子が前と違う。おかしいなぁ・・・と思いつつ登って偵察。結局、T4尾根が見えるところまで登り、再び登り返したので、時間がかかってしまった。
東壁ルンゼの取り付きを偵察した後、T4尾根末端の岩小屋に泊まる。夕方少し雨がパラつくがすぐに止む。その後は稜線で雷。
8月7日:出発4:30-取り付き5:00-T311:30~12:15-T4尾根末端13:30~14:30-横尾15:45-徳沢16:30
3:30起床。予想より水が減らないが捨てられずにそのまま背負って出発。岩小屋から岩の基部に進む薄い踏み跡に入る。取り付きまではヤブで踏み跡も石がゴロゴロで歩きにくい。前日の偵察時に半袖を着ていた玉ちゃんは腕がブツブツにやられてしまった。取り付きはボルト 2本。この日の屏風岩には誰もいない。
1P目:坂本(III、30m)凹角の左の簡単な所を選びながら登るのだが、終了点近くまで中間支点がないので、途中ハーケンを1箇所打った。終了点は凹角沿いにある。
2P目:玉谷(IV、30m)このピッチは凹角沿い、下部は支点があるものの上部は少ない。最後に右へ抜けたところで終了。
3P目:坂本(A1、35m)草の生えた所を右上してカンテを越えるとA1の開始。リングはなくてもボルトの頭は残っているので、リベットハンガーや極小ナッツで補強しながら登る。最後は一歩トラバースして終了。
4P目:玉谷(A1、20m)右のクラック沿いを直上し、スラブに抜ける。出だしのハーケンが折れていて打ち足す。さらにスラブに抜けたところでボルトが1本折れていてここで悩む。ザック置いていきなよ~と声をかける。ボルトを打ち足そうとしたが、穴があいていたので、そこにリムーバブルボルトを差し込んで登り、すぐ上の終了点まで。
5P目:玉谷(A1、20m)ここは普通のA1ルートであった。
6P目:坂本(IV・A1、20m)左にトラバースして縦フレーク沿いに登る。
7P目:玉谷(II~III、40m)バンドを左にトラバースして簡単な岩を登る。
8P目:坂本(IIとヤブ、40m)少々の岩を交えながら、岩とヤブの際を登る。
9P目:玉谷(ヤブ、40m)何だかトゲトゲの植物が多くて痛いヤブ、登り切ってT3に到着。ハーケンなどは全部回収。
東壁ルンゼの下半部を登ったものの、やたら疲れたので下降することにする。
T4尾根の下降は初めてだが、懸垂支点もしっかりしていて、5ピッチ?で尾根末端に戻る。
ここで登攀装備をしまい1ルンゼを下降し始めたところ、突然のドシャ降り。しばらく銀マットを頭からかぶっていたが止みそうにないので岩小屋に一旦戻り、雨が止んでから下降再開。
徒渉も終えてやっと一般登山道に合流するものの、横尾を過ぎると再びドシャ降りになった。銀マットをかぶって徳沢まで歩きながら、降りて良かったネェ。
徳沢園で貸テントに泊まるがこの中が昆虫ランドでハサミムシは枕元を歩くし、蚊には顔をさされるし、芋虫まで登ってくるしで、途中からツェルトを張ってシャットアウト、やっと安心して眠ることが出来たけど寒い夜であった。
8月8日:出発6:00-上高地8:00~30-新島々9:40~10:05-松本10:40~12:17
寒いので5:30起床。パッキングを終えるアマ蓋に芋虫がついていてガックリ。昆虫ランドとサヨナラして帰途につく。明神で朝食にカレーライスを食べ、松本で昼食を済ませホームでノンビリと飲みながら始発電車を待って帰りました。
今までの屏風では水に苦労したので、今回はたっぷりと持っていったが、重くなりすぎてしまった。下部はそう難しくはないのだが、ピンが抜けているところで、結構時間がかかってしまった。
あとはヤブが痛い。イチゴとかアザミ、もトゲトゲ系が多い。ブヨも1mmくらいの小さいやつに食われました。上半部はまた挑戦しようと思います。ドシャ降りを予想していなかったけど、運良く登攀中にあわずに済んでよかったです。
(坂本)
屏風岩は我々だけしかいない貸しきり状態で、広ぉ~いスラブの海は気持ちがよかった。しかし、残置ピンはボロく、根元から欠けていたものもいくつかあって、恐ろしい。
4ピッチ目は2ケ所もピン欠けがあったので、ハーケンを打ったり、キャメロットを使ったり、リベットハンガーや、リムーバブルボルト(トランゴ社製)を差し込んだりと、いろいろとネイリングを試みた。
そういえば本チャンでジャンピングボルトを打とうとしたのは、今回が初めてだなぁ。(折れたリングボルトのすぐ脇に打とうと思って5mmほどあけたが、すぐ上にボルトスカーがあったのでリムーバーを使ったのです。)
結果的には雨で撤退理由ができたけど、圧倒的にスピードが遅いので、スピードを意識したトレーニングをしなければいけないと思いました。とりあえず落石が集中するという下部は登ったので、次回は分割作戦で上部を狙いましょう。
(玉谷)