谷川岳一の倉沢・烏帽子沢奥壁南稜
山行日:1996年6月23日(日) 前夜発日帰り
参加者:L坂本(記)、SL玉谷、渡辺、吉尾、山口、安斉、泉沢
費 用:高速代8600円、ガソリン代8000円、計16600円
タイム:一の倉沢出合5:45 南稜テラス7:45~8:15 終了点11:45~12:15 出合16:15
われらが大先輩の吉尾弘さんに岩登りに連れていってください!!とお願いしたところ、佐藤幸子さんのオッパイを触らせてくれたらイイヨ、と大先輩は答えた。玉ちゃんと私はやったぁ~と舞い上がり、イッパイ触らせます!!と叫びまくった。そして、叫びついでに一の倉に行きたいんです!!と、場所まで指定してしまった。
一ノ倉沢の出合に着くと、私たちが登ろうとする南稜がはっきり見えている。一ノ倉沢は下部が雪渓。その雪渓はテールリッジという尾根まで続く。まさしく尻尾のように細い岩まじりの尾根を登り、尾根の左に広がる烏帽子スラブを横切ってさらに登ると、そこが南稜テラスという所。
登攀装備を身につけて互いにローブで結びあう。いよいよ登攀開始だ。私たちの登る南稜は6ピッチ、高度差は約200m。1ピッチごとにひとりがリードして登って自分とロープで結び合った仲間が登ってくるのを上で確保するのです。玉ちゃんと私は安斉パーティ。ナベちゃんは山口さん、泉沢さんと吉尾パーティの所属になった。1ピッチ目と2ピッチ目は安斉さんがリードし、玉ちゃんと私が続けて登る。下を見ると烏帽子スラブの先に雪渓が広がり抜群の眺めだ。
3ピッチ目は緩傾斜の草付きなので次のピッチまで歩く。4ピッチ目も安斉さんがリード。そして、5ピッチ目は私がリードする。が、中間支点の取り方がまずかったせいで、中ほどまで登るとロープが動かなくなってしまった。中間支点を吉尾さんがはずしてくれて、やっと玉ちゃんに登ってもらうことができた。玉ちゃんは私のいる中間地点からそのままリード。そして最終ピッチ。安斉さんが簡単そうじゃない?!と言うので再度リードに挑戦する。下部は階段状だけど上部は垂壁。あと1m程だ、という所でセミ状態になる。左足を震わせながら手がかりをやっと見つけて残りを一気に攀じ登った。
終了点からは懸垂下降で下る。ロープを垂らしエイト環という下降器で降りるのです。さすがに先輩方は作業に無駄がなく、当たり前のように次々とこなしていく。そういう所作ができなくては登れたとは言えない。難しくて(M)面白くて(O)奥深い(O)。もぉ~岩登りったらぁの世界なのです。そんな妖しい世界に飛びこみたいのに、自分だけではできない部分があって、どうすればいいのか考えると行き詰まって、先輩にお願いしている自分はエサを待っているヒナドリみたいで情けないけど、無理矢理自分でさがして食中毒で死んだら困るし。そのうちに、雨粒がボタボタッと落ちてきた。さらに雷まで落ちたそうにゴロゴロッて鳴る。下降は半分も終了していないのに。さすが妖しい世界だ。不安になって、安斉さんに岩登りで雨降ったことありますか?って聞くと、僕が行く時はいつも雨だよって答えが(うそだろ~っ!!)。南稜テラスにたどりついた時には濡れているのが気にならない程にびしょぬれになっていた。しごきにしごかれ水攻め状態のロープをしまう。ここからの下りは沢登りのような気分。足元だけが岩登りにきたんだよな、って気分でチャプチャプ歩く。テールリッジを緊張しながら下降し雪渓を歩いて、朝出発した出合に着いた時は再び出会えて良かったね自分、の気分。
今回は吉尾さんの素敵なお友達もご一緒してくれた。私たちが発狂しないように気持をみたしてくれた先輩方、汗まみれの身体をシャワーで洗ってくれた谷川岳、ユッコちゃんの素敵なオッパイ、お腹をすかせたヒナドリに次のエサをお与えください。ピィピィ!!