八ヶ岳東面-旭岳東稜
2001年2月10日(土)~12日(月)
L坂本多鶴(記)、SL玉谷和博、中野 勉
9日(金) 新宿駅23:50(急行アルプス/人身事故で途中1:06停車) 小淵沢駅3:15<仮眠>
10日(土) 小淵沢駅6:09(小海線) 清里駅6:36/7:00(タクシー1130円) 美しの森7:15/30 出合小屋11:00<小屋内で幕営>
赤岳東稜に登るという単独の方と相乗りして、美しの森の駐車場までタクシーで入る。予想に反して人が多そう。トレースもしっかりついている。今回はラッセルも目的のひとつだったのに、全く楽チンに赤岳沢の出合小屋に到着してしまった。周りは白い雪、見渡せば白黒の山、見上げれば青い空シンプルな景色が眼に優しい。私たちは谷の中。旭岳東稜の取付きを確認して、本日は小屋の中で幕営とする。この日は権現東稜に1パーティ、赤岳天狗尾根に2パーティ、旭岳東稜は5パーティが入山。この三連休はみんな八ヶ岳なのかな…。
11日(日) 小屋6:00 東稜取付6:15 上部岩稜基部11:30<順番待ちで幕営>
土曜の朝は4時起床、6時出発。他パーティは尾根の左、権現沢側から取り付いたようだが、我々は東稜のほぼ末端(取り付きと少し登ったところに赤テープあり)から取り付く。前日にはなかったトレースが、なぜか途中まであった。・・・が、なくなったのでワカンを履く。しばらく歩くと左側から取り付いた他のパーティのトレースに合流したのでワカンを脱ぐ。積雪量はトレースをはずすと股までもぐる…という感じ。稜線の下部は所々に幕営適地があったが、中間部に入ると両側が切れ落ちたようなやせ尾根も出てきて少々の下降でも緊張した(幕営装備がなければ何でもないと思うけど)。
中間部のやせ尾根が終わると、広い斜面に出る。今ひとつ雪がしまっていないので、足元が不安定。ここは雪崩注意の場所でもあるが、草付きの雪はほとんど取れていて、そこを登る。この草付きも支稜に出る手前が少々急で、その部分だけザイルを出した。支稜を登りきると上部岩稜帯の基部である。ちょうどガイドパーティが張り付いている最中で、その後を京都大阪労山の混合3人パーティ、大宮労山の6人パーティが待っていた。岩稜左の雪壁も2人パーティが登っているところで、3パーティが待っているという大渋滞だ。
まだ昼前なのだが、今日はここで幕営臭いなあという雰囲気。風で身体もだんだん冷えてくるので、テントに包まって時間をやりすごす。然しながら、岩の1段目でぶら下がっているガイドパーティの1人がなかなか登れないでいるし、下でああだのこうだの叫んでいた女ガイド(本当?)も、この後で同じようにぶら下がってしまった。さらに京都の女の子もぶら下がって、「次は私だ…」といやな絵が頭をよぎる。左側の雪壁を登ったパーティも、雪の状態が相当悪いらしく、ベテランそうな人がかなり苦労して登っていた。もうこれは幕営だと決めて、岩の基部を整地していると、さらに1パ一ティが登ってきて、2パーティの幕営となった。夜間に少々の積雪あり。
12日(月) 基部6:40 旭岳10:40 青年小屋12:40/13:10 観音平口16:30/40(タクシー2530円) 小淵沢駅17:00/18:09(特急あずさ)秋葉原駅20:20
翌朝も4時起床、6時にテントを撤収しはじめる。今回の私はテント持ちなので、リードはないもんね、と余裕で岩の基部へ。なのに、私が空身でリードすることになってしまった。右上にガバはあるが届かないので、ピッケルで身体を持ち上げてダケカンバを掴み、1段目の岩を乗っ越す。指先が冷たい。2段目は何ともない岩で、3段目の岩はちょっとバランス悪いなあ、という感じ。支点がないのでピッケル1本を基部に埋め込んで中間支点とし、再びピッケルで身体を持ち上げて乗り越えて、ビレイ解除。指先が冷た~い!セカンドのキジ坊はプルージックで、顔を吊り上げながら登り、ラストの玉ちゃんは私のザックとともに引き上げた。2ピッチ目は玉ちゃんがリード。ルート図では左の雪壁なのだが、4段目の岩の右側から。足元の不安定な雪壁の上部はザックにうるさいダケカンバ、5段目の岩場もザック持ちには少々バランスが悪い。3ピッチ目と4ピッチ目はやせ尾根で、5ピッチ目は雪壁を左上に巻き込みながらキジ坊がリードする。そして、最後の6ピッチ目は旭岳の頂上まで玉ちゃん。風が強いけど相変わらず360度のいい眺めだ。
赤岳に抜ける予定だったけど、権現岳に変更。あとは夏道沿い。鎖場のトラバースと梯子を登って権現岳東稜ピークを越えると、権現小屋が見える。ギボシのトラバースが終われば、後は楽チンコース。青年小屋でギアをはずして、観音平目指して駆け下りた。
こんなにも東面に人が入っているとは思わず、ラッセルではなく順番待ちに時間を使ってしまった(労山のアルパイン学校の方たちがラッセルして下さったようです)。1日目にもっと上部まで登っておけば良かったなあ、と反省。3日間あるしなあ、と思ったけど、登れるところまで登って、さらに登れたらもっと先まで足を伸ばした方がいいね。私たちのような山行をやる人間は…。今回は3人だし、他のパーティも多かったので緊張感は少なかったが、久し振りに山に行ったな、という感じがした。
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