2009年5月2日(土)~5日(火) L.坂本、玉谷
絵を描いてたら報告最後になってしまいました。
今年のGWは初岩場、三重県名張市の香落渓(こおちだに・かおちだに)に行って来ました。
香落渓とは、青蓮寺川に沿って8km 余り続く柱状節理の岩壁群(安山岩)と紅葉が有名な渓谷。岩はもろい部分も多そうで、道路際には落石用の防護ネットや防護柵がかなりあった。その中で登攀可能な場所が登られているらしい。
大きく、MCの岩場、第1岩峰、屏風岩とあるが、第1岩峰と屏風岩については1980年代(1982年~)に杉野信介氏らにより開拓され、「香落渓の岩場」として2002年にルート図集が発表されている(関西の好日山荘で入手可、その他のエリアも載っています。)。
一方、MCの岩場は、それらが開拓中(当時は未発表)の1986年、関西MCCにより岩雪118号で『もうひとつの「香落渓」』として発表された岩場だ。
2日(土) まずはMCの岩場へ
東京6時30分発の新幹線に乗り、名古屋駅で近鉄に乗換えて名張駅に10時9分到着。
初日なので駅からタクシーで青蓮寺ダム脇(かなり大きなダム湖)を通り河鹿橋まで移動。運転手さんによると、クライマーが登っているところは「天狗の柱」と地元で言ってて、観光客がクライマーの写真を撮ることもあるらしい(恐らく第1岩壁か?)。
橋を渡ったところでタクシー下車。ダム方面に向って川沿いに管理道路がある(立入禁止のフェンスあり)。ここを歩くこと5分位か。左手木々の間に岩壁が見えてくる・・・、と踏み跡があるのでそれを登るとMCの岩場に到着。誰もいない。向って右側が一階の岩場、左側に一段上がったところが二階。
まず二階の岩場へ、ここの基部は足場がいまひとつ。普通に立ってれば問題ないが、陽射しが眩しくフラッとして落ちるとヤバい高さなので、セルフ用にfixロープを張る。
まず簡単なところでシンドローム5.8をそれぞれリード。
柱状節理の岩塔間の隙間にハンドジャム、プラス身体ズリズリ登り。柱状節理の頭の上に這い上がって終了。(この最後這い上がるパターンが多かった)
次は5.9の平和クラックを坂リード。
出だしはハンドより広かったかな?ここもジャムプラス身体ズリズリ登り。中間部から左のクラックに移るところで玉ギレで(あとは青キャメサイズ)坂ここで下降、残りを玉ちゃんがリードする。この中間部の奥に浮石だまり(登りには使わないが・・・)。
帰りはバスに乗ることにして、出発。最寄りの香落橋バス停までは30分ほどの歩き。管理道路を河鹿橋まで戻り、タクシーで来た道をトボトボと戻る(ここら辺り携帯電話は繋がらない)。余裕でバス停に着いて15時37分の最終バスを待つ・・・37分、47分、57分・・・バスが来ない。
「バス、エンストで止まっちゃってますよ。迎えが来るのにも時間かかるんじゃないかなぁ」と教えてもらい、1時間ほどかかるが百合ヶ丘ニュータウンのバス停まで歩くことにする。
まともな地図を持っていなかったので、途中道間違えて30分ほどロスしたが、百合ヶ丘バス停で17時35分のバスに乗ってやっとこさ駅まで戻り宿泊地へたどり着いた。
3日(日) MCの岩場へ
昨日2本しか登っていないので、本日もMCの岩場へ。
駅から8時発の山粕西行きバスに乗り、河鹿橋先の紅葉台で下車(トイレあり)。橋まで20分ほど歩いて戻り岩場へ。
一階の岩場、ナーバスレイバック5.9を坂リードから。甘いフィンガーからオフィズスサイズで中段で這い上がり、最後は木登りで終了点へ。続いて玉リード。
隣りのオーバーザレインボー10d(トップロープ課題)をトップロープで登るが難しい。絶対にイレブン代だ、という結論に落ち着く。
二階の岩場、吐息クラック10a。玉リードから。甘いフィンガーから始まり上部はハンド。上部で玉ギレで坂交替。最後は這い上がって終了点。ここも身体ズリズリを多用した。このルートは10cありそう。
吐息クラックで二人とも青息吐息、で、終了。
本日も15時37分の最終バス目指して香落橋バス停に向けて出発。バス停に到着して一休み・・・、「昨日間違えたところを正しいルートで行ってみたい・・・」という気持ちが頭をよぎってしまった。
そして、また歩くことにする。途中サルの群れが道路を横断。子ザルが過ぎるまでじっと待つ。結構おサルさんいるのだろうか・・・。あとは予想通りの道を通って、問題なく百合ヶ丘バス停到着。しかしロープと全カム背負ってのアスファルト歩きは昨日はよかったものの今日は足裏に相当来た。
4日(月) 第1岩壁へ。
本日も8時発の山粕西行きバスで紅葉台下車。10分ほど歩いて戻ると対岸に第1岩壁が見えてくる。
岩場の左裾からアプローチ。道路脇のパイプ製のハシゴを降りて、浅そうな場所を渡渉。深いところで膝上くらいだったが、普通より水量は少なかったらしい。
そこから踏み跡を右上すれば途中から岩が見えてきて第1岩壁の基部。5分くらいか。MCの岩場より高度感がある。
この岩場は大きく左、真ん中、右と分かれていて、それぞれが下部と上部に別れ、数本ずつルートがあるという感じ。すでに左側を2人組の若者が登っていた。
我々は右側の上部、これなんですか5.10aへ。踏み跡から回り込んで一段あがりfixロープに導かれルート基部へ。
立ち木でビレイだが、ビレイ点から少しトラバースしてクラックに入るので、ビレイヤーからはルートが見えない。
坂リードで登るが、出だしから苦手なフィストが続く。身体ズリズリも使えない。おまけにカムをたくさんぶら下げすぎてすごい邪魔。なんとか中段テラスに這い上がり。オフィズスが始まるところでピッチを切る。クラックだからこそ出来る1ピッチを2ピッチで登る攻撃。
玉ちゃんに登って来てもらい残りを玉リード。オフィズスから前傾ハンド。ハンドジャムはしっかり効くが抜け口がいやらしかった。10bはありそう。
ここから懸垂下降2ピッチで第1岩壁の基部へ。下降前に玉ちゃんのATCガイドが落下。蚊取ケースも落下。降りてかなりの時間探し回ったが見つからず。
次に直登10aを坂リード。ワイドハンドからハンドと身体ズリズリで中段テラスへ。ここからオフィズスだが私には無理でA0。最後はまた這い上がって終了点へ。玉ちゃんがフォローで登って終了。オフィズスは要練習です。
玉ちゃんがポツンと来たみたい、と言うので、予報では18時以降雨だったが、山沿いで雨も早いかもしれないので撤収。
渡渉して道路まで戻り、紅葉台バス停に15時10分着。28分のバスまでお店(ここがかじか荘か?)で缶ビールを注文して、ライチをご馳走になり、ご夫婦に大きく手を振って、無事にバス乗車。
5日(火) 帰松
最終日は屏風岩に行こう(屏風岩は河鹿橋の手前のフェンスの脇から踏み跡をたどるそうで、踏み跡だけ確認)、と予定していたが早朝から雨。21時に松戸に帰る予定だったが、早々に出発、名張まんじゅうを買って、13時には帰ってきました。
香落渓の岩場は、今まで行ったクラックとはまた違ったタイプの岩場で面白かったです。
各々の岩場で皆に登られているルートは限られているようだったし、全体の本数は少ないのかもしれないけど、柱状節理だから垂直だし、足はフットジャムするか踏ん張るか。最後は柱状節理の頭に這い上がって終了。クラックと言ってもクラック脇にスタンスがあるルートの方が結構多いのかもねぇ・・・なんて話す。
現地に着くまでは、場所がちゃんとわかるか不安だったけど、屏風岩と第1岩壁は道路から見えているし、MCの岩場のアプローチの管理道路もすぐわかるので、迷うことはないと思う。第1岩壁の渡渉は股まで水が来るときもあるらしいし、今回は鮎が放流されたあとで、水の中の石も滑りやすかった。道路はトンネル近くの崩落後の工事が完全に終わってないようで、11日以降一部通行止めになるようであった。
気になった点と言えば、渓谷沿いにカーブミラーの残骸があったり、車からのポイ捨てゴミも多く、ボランティアも限界のようで、行政で何とかならんのかなぁと思いました。
名張駅周辺は近年ベットタウン化により新しい住宅地が出来ているけれど、少し入れば自然豊かな景色が広がってるし、立派な瓦屋根の家並もあるし、地元の方はのんびりとしていて親切だし、良いところでした。何だか東京の方って時間に追われすぎているなぁ・・・と思わされるような。
また、この時期、毎年ミニバスケットボール大会があるそうで、私たちが泊まったところも小学生女子チームが1泊してましたよ。名張まんじゅうも美味しかったです。
玉谷さん、坂本さん、ご無沙汰です。
渡渉ポイント、今はやや上流を渡って川沿いをてくてく。でした。絵がかわいくて大好きです。いろいろ参考にさせていただきました。
直登@第一は難しかった…。
修行し直して登りに行きたいです。
投稿情報: Erika | 2009/11/25 19:55
Erikaちゃん久しぶりです(*^^*)。
渡渉ポイント情報ありがとう。
私たちもまた行きたいねぇ、と話してますよ。
投稿情報: 坂本多鶴 | 2009/11/27 09:14
近畿在住のヘッポコクライマーです。
MCの岩場は、残念ながら今現在登攀禁止中です。
2009年の10月に事故がありその後、立ち入りが禁止になっています。
その他の第1岩壁などは、登攀できます。
投稿情報: 天道虫 | 2012/05/14 10:47
天道虫さま。
情報書き込みありがとうございます。
MCの岩場、残念ですね。
投稿情報: 坂本多鶴 | 2012/05/16 07:58