1999/非売品
日本クライマースクラブ(JCC)は、ベルニナ山岳会に所属していた古川純一・小森康行・服部清次・鳥井義弘の4名で独立(どこかの会と似てるなぁ)、クライミング専門の会として1958年に創立された。同会からは勝野惇司・菊地敏之・津田泰男・嶌田聡氏ら…、数多くの優秀なクライマーを輩出している。創立40周年の記念誌となる本書には、一ノ倉沢烏帽子中央カンテ・幽ノ沢中央右フェース・剣尾根ドーム稜・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁大氷柱・丸山東壁大チムニーなどの初登攀を含めた40編(創立40周年に因んで)の主要な登攀記録が、当時の会報や山岳雑誌から年代順に再録されていて、さすがに読み応えがある。記録集の他には、創立時の理念と思い出を書いた、「わがクラブと私達」(古川純一)・ 全登攀記録・在籍者名簿の4章で構成されている。
及ばずながら、私たち「まつど岳人倶楽部」も、このような素晴らしい登攀記録が並んだ記念誌が作れる日がいずれやってくることを夢見ているわけです。(って、言いすぎかな?)
PS;手元にあるJCCによる出版物としては、『山四葩 津田泰男追悼集』(1991/非売品)がある。当時の『岩と雪』や『クライミングジャーナル』誌の記録欄を賑わせていた若手トップクライマーの一人であったが、残念ながら冬の幽ノ沢にて雪庇を踏み抜いて転落、死亡してしまう。こちらも内容が濃く、追悼集としては素晴らしい出来になっています。
山岳会の会報というのは、発行部数が極めて少ないので外部の人が目にすることはまずない。だけど、ン10年に一度発行される記念誌の類は、山岳雑誌に紹介されることも多く、一般に頒布してもらえる場合もあるので比較的入手しやすいと思う。(それでも市販の書籍と比べるとかなり稀少であることには変わりがないですが…。)なかでも、登山史に関わるような先鋭的な登攀を幾重にも実践してきた著名な山岳会の記念誌は、とても興味深いし、資料としても重要だ。以下に、手持ちの記念誌の内から主だったものを列挙してみたが、いずれも会のカラーが出ている個性的なものばかり。そのうちにこのブログでも少しずつ紹介してみたいと思います。
『ザイルを結ぶ男たち』 40周年記念誌 山学同志会(平8/非売品)
『雲稜-30年の軌跡』 東京雲稜会(昭57/非売品)
『朝霧』 50周年記念誌 東京朝霧山岳会(昭57/非売品)
『雲表-創立40周年記念号』 雲表倶楽部(昭58 1988 平6 15)
『雲表-創立45周年記念号』 〃 (1988/非売品)
『雲表-創立50周年記念号』 〃 (平6/非売品)
『雲表-創立60周年記念誌』 〃 (平15/非売品)
『登攀-30年の歩み』 東京緑山岳会(昭44/非売品)
『登れ より高く』 50周年記念誌 登歩渓流会(昭56/非売品)
『31DONGURI』 30周年記念号 どんぐり山の会(1987/非売品)
『白稜-創立50周年記念号』 東京白稜会(1995/非売品)
『岳人-創立30周年記念号』 東京岳人倶楽部(昭50/非売品)
『岳人-創立40周年記念号』 〃 (昭62/非売品)
『歩き続けて半世紀』 50周年記念誌 昭和山岳会(1991/非売品)
『剣』 50周年記念誌 直登会(2006/非売品)
『山毛欅林』 創立40周年記念誌 広島山の会 (1990/非売品)
『戸隠山塊 グループドモレーヌの足跡』 50周年記念誌 (2006/非売品)
『登山・登攀半世紀の記録 2007』 京都府立大学山岳会 (2007/非売品)
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