1990/白山書房
前著から25年。さらに加筆され、老いてもなお毒舌が冴え渡る寺田甲子男の第2弾。戦前・戦中・戦後と登山界を切りまくる。
「山で死んでは絶対にいけない。生きて帰ってくるからこそ立派なクライマーなのであって、山で死ぬ者は誰であっても大したことはないと思う。山での死を美しいと思う者はシロウトとマスコミだけ。そして良い仲間がいてこそ、長く山へ登れる。」という登山哲学を語り、また、「遭難事故を出すことは山岳会としては最低で、最も恥ずかしいこと。山岳会とは遭難対策について指導することが本命である。」と言い切る。同じ、山岳会として見習いたいことです。
原題は『谷川岳やくざの50年』(クライミングジャーナル47号の広告より)となっているが、“大バカ野郎”にしろ“やくざ”にしろ、タイトルからして刺激的です。喧嘩やキセルの話ばかりが出てくるのに、なぜか全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれている不思議な本。
PS;写真右は、本の見返しに書かれたサインと、出版記念会の際の案内状。こういった本との出会いも、古書蒐集の楽しみのひとつでしょう。
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