1981/山と渓谷社
日本の岩場シリーズ第4弾!山学同志会のトップクライマーでもあるカメラマン岡田昇が、28ルートすべてを登攀し撮影した、最新情報によるルートガイドブック。北岳バットレスから9本。甲斐駒から10本。黒部丸山東壁から5本。大タテガビン・奥鐘山西壁からは4本のルートが掲載されている。
武藤昭のもとでアシスタントカメラマンをしていた岡田昇は本書で一人立ちし、雑誌『岩と雪』の表紙写真などを経て、写真が撮れて文章が書ける作家として、『知床越冬記』『冬の都の物語』『カムチャッカ探検記』などの多くの著作を残した。利尻山西壁冬季ソロ初登攀などの記録をもつ氏は、野生のヒグマに2mまで接近してレンズを向けるなど、常に本質に迫るべく突き詰めるような姿勢を崩さなかった。
「チャンスは2度はない。自分の気力・体力・山のコンディション。その3つが重なることはそうない。一度逃げた山は、壁は、どんどんそいつから遠ざかっていくのだ。」 そして、2002年1月、岡田昇は冬の穂高岳に一人消えてしまった。
PS;現在は跡形もない“マッチ箱のコル”(1981年7月頃に崩壊)の写真はいまとなってはとても貴重だ。ピラミッドフェースや上部フランケを登る、弱冠20才の保科雅則氏の姿も見られる!
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