昭和32/角川書店
角川写真文庫の1冊で、R.C.CⅡの奥山章による技術本。岩登りと雪上技術を、写真とともに簡素な解説を添えて解説している。写真のモデルとしても登場し、所属する日本山嶺倶楽部や鵬翔山岳会、中野満らが協力している。ハーネスもスリングも前爪アイゼンもない時代のテクニックがわかりやすくて興味深い。
本書が出たのが昭和32年の7月。その年の3月には、吉尾弘が一ノ倉沢滝沢本谷を初登し、6月に奥山の店「梓」が開店。翌年1月にはR.C.CⅡ(第二次ロック・クライミング・クラブ)が発足されることになる。新しい時代がまさに動き出す、そんな時期の小品。
小さくて薄い本ながら、写真文庫だから、もちろん写真だし、わかりやすく良く出来ているよね。当時定価100円。
山渓からも同じ時期に海野治良氏らによる教室シリーズ定価180円が出ているけど、こちらも同じように小さくて薄くて写真説明だもんね。私たちが最初に作った技術本もこのサイズだったよね。
投稿情報: 管理人-鶴多郎 | 2006/07/13 23:45