1979/山と渓谷社
「徹底した実地踏査に基づいた豊富な写真と精確な最新情報によるフォトグラフィック・ロッククライミングガイドブック」34本のルートを掲載。各ルートの取り付きから終了点までの要所要所を写真を多用して解説しているので非常にわかりやすい。ルートファインディングが不安なクライマーにとってはとってもありがたく、心強い味方になるアンチョコです。同様の本は、これ以前には昭和34年に発行された岩稜会による『穂高の岩場 1・2』しかなく、これ以降にも本書ほど詳しいものはない。また、岩稜会のものは古すぎてガイドブックとしては使えないが、本書は現在でも充分使える実用書だ。(ルートのグレーディングは、当時最新のRCCⅡグレード改訂委員会のものを採用)
シリーズとしては、『剣岳の岩場』『谷川岳の岩場』『北岳・甲斐駒と黒部の岩場』の4冊からなる。あまり見かけることはないけど、古書店で発見したら即ゲットすべし!
PS;本書には異なるカバーが2種類ある。写真左は初版のもので、右は2刷目のもの。本文は、出版広告のページ以外は同じ。
PS2;後日、赤岳山荘のオバちゃんとこで偶然にも武藤昭さんと同宿して、いろいろとお話を伺う機会がありました。初めてお会いしたのにとっても気さくな人で、とっても面倒見のよい小父さん(失礼!しかも顔も雰囲気も貫太さんにそっくり!)という印象に、本書のいかつい印象の顔写真でしか知らなかった僕らは「別人では?いやもしかして?」という感じで声をかけたのです。「ヒロケン親子鷹、一ノ倉沢烏帽子大氷柱に挑戦!」みたいなNHKの番組の撮影をされていました。最近の著書『登って写して酔いしれて-山岳映像カメラマンの50年』(2007/白山書房)もお薦めです。
たまさか様
はじめまして、ブログで古書のご紹介を見させて頂き驚愕しております。
身内からすると、まさかこの様な評価をして頂ける様なオヤジには見えませんからね・・
申し遅れました、武藤昭の次男坊(ホント)です。
ひょんなことから たまさかサン のブログに辿り着きました。
当時はオヤジ達(武藤昭、岡田さん、細田さん、保科さん)が何をしているのかサッパリ分からず。
(小生が3~4歳でしたので・・)
家に来た時に遊んでもらったり、上高地や明星山(新潟)に連れて行ってもらったりと、
いまから考えると「登攀の邪魔モノをよく連れてくれたなー。」と思います。
オヤジ(武藤昭)も大病を超え、今年で古希を迎えております。
本人はおろか、家にも本は見当たらないので古本屋さんで探してみます。
ありがとうございました。
投稿情報: muu_choo | 2010/10/07 12:56
武藤昭さんの次男坊様
こんにちは。はじめまして。
そうなのです。実は凄い人なのです。凄い人なのにそんなことを微塵も感じさせないところが、また凄い人だな、と思いました。映画「マークの山」の撮影時には、武藤さんの声かけで全国から有名クライマーが100人以上も集まったそうだし、「穂高岳の岩場」も、締め切りまでが期間が短くて1シーズンですべてのルートを登って仕上げたと言っておりました。
本書は、単なるガイドブックに非ず、情熱の書です。短期間で作ったとは言っておられましたが、美しい写真と丁寧な編集で素晴らしい仕上がりになってます。あまり見かけない貴重な本なのでぜひ探してみてください。
ではでは。
投稿情報: 玉ちゃん | 2010/10/08 17:27
たまさか様
こんにちは、「マークスの山」の撮影の際、まさかいらっしゃったのでしょうか!?恥ずかしながらクライマーでもないのに私、参加してました・・積雪時の北岳直登。自分ヤワなのでものすごく疲労困憊して登り後半記憶が無いほどでした。しかも高山病気味で撮影の手伝いにはほとんど参加できず・・どーしょも無かった記憶があります(恥)。
そう言えば「穂高岳の岩場」の話聞いた事がありました。今年の7月に穂高に一緒に行ったのですが、途中の屏風岩が良く見える所で休憩した時に
「ココ(屏風岩)のルートガイド作ったな、40日くらい風呂に入れなくて、気が狂いそうだった!」
などと笑ってましたね・・軽く話してたから(元々の口調なので)「情熱の書」とは感じられず!と言うか感じさせない語り口なんですよね・・
今は自分もクライマーの勉強中なので、「歴史の書」として是非とも探してみます。
ヨメから「外岩禁止令」が出ているので、もっぱら人工壁ですが、いつかは屏風・前穂・北岳・明星・モンブラン「ツールロンド」など夢のクライミングを志に鍛錬中です。
長々と失礼しました、ありがとうございました。
投稿情報: muu_choo | 2010/10/13 13:31