イギリスの「カリマー karrimor 」は現在でも人気がある ザックメーカーだ。
社名の語源は carry more 「もっと運ぶ」。
名クライマー「ジョーブラウン」の名前を冠したこのザックは、当時「アルピニステ」とともにカリマー製品のなかでは最も人気が高かった。
27年前に僕が初めて買ったアタックザックが、この「カリマージョーブラウンⅢ」でした(写真右)。大学時代は、合宿などの公式行事では皆、「片桐」のキスリングを背負っていたけど、自由に計画する“個人山行”では、カラフルでかっこいいアタックザックを颯爽と背負っていた先輩たちにすっごく憧れたものです。
「ミレー」と「シュイナード」と「カリマー」の3大ザックメーカーが人気だったが、なかでもジョーブラウンを持っている先輩が多かったように思う。現在では当たり前の、通気性とクッション性のいいメッシュの背面構造…などではなくて、いたってシンプルな背面(銀マットを入れないと痛い)。
ウエストベルトは別売。メインストラップのジョイントは、プラスチックではなく未だ金具です。“ちょっとおしゃれになった背負子かな”という程度の作りですが、これがまたかっこよく見えたものです。懐かしい……!
その後、ずいぶんくたびれたので捨ててしまったのですが、最近ヤフオクで入手したのが写真左のザックです。なんと新品未使用です。もったいなくて山では使えません(山の服入れになってます)。
思いがけずにタイムスリップして27年前の初恋の人に再会したようで、恥ずかしくもあり嬉しくもあり、不思議な気持ちがします。憧れの先輩たちの後姿をずっと追いかけていた頃の気持ちに戻れます…。
ちなみに今使っているザックは、やはりカリマーの「Alpiniste 45+10」と「Alpiniste 60+15」。オレンジと黒のカラーリングに一目惚れして10年ほど前に購入したものです。小屋泊のフリーの時と夏冬のアルパイン長期テント泊の時などで使い分けていますが、とてもいいザックです。
これを越えるザックにはまだ出会っていないので、こいつらとはまだまだ長い付き合いになりそうです。
ps;ⅢというからにはⅠとⅡもある。「ジョーブラウンⅠ」は帆布製で、「ジョーブラウンⅡ」はナイロン製だったような。この、強化ナイロンks-100e製の「ジョーブラウンⅢ」と同時期に雑誌広告に載っていたのを見たような気がするのですが、現物は未見。
1982年当時、雑誌「山と渓谷」に掲載されたIBS石井スポーツの広告
はじめまして。
なかなか捨てられなくて、ジョーブラウンⅡの現物を現在も所有しています。81年か82年に札幌で購入したもので、学生時代の5年間、北海道の山歩きに使っていました。当時、シュイナードのアルティマツーリーが欲しかったのですが、貧乏学生で手がでなく、あまり人気がなく売れ残っていたジョーブラウンⅡを、本体半額の8000円で、ヒップベルト込みで10000円で売ってもらいました。友人がⅠを使っていましたが、ⅠとⅢはデザインが同じで、Ⅰが普通のナイロン、Ⅲがコーデュラのks100eでした。綿帆布のジョーブラウンはもっと前の世代ですね。ちなみにⅡですが、Ⅰと同じナイロン製ですが、デザインが異なっています。レインフラップがアルピニステと同じで本体に縫い付けになっていて、ⅠやⅢのように外れません。レインフラップが外れるタイプは絶滅しましたが、その意味では先進性があったのかなと思います。また、背中のフレームは幅が狭く、アルピニステのカリマットと互換性がありました。ただし、荷物を詰めるとⅠやⅢとおなじで、やや太めのサイズです。Ⅱを使っている人はほとんど見かけたことが無く、山で「変わったジョーブラウンだね、自分で改造したの?」と、よく声をかけられたものです。最近、古い山道具の整理をしていてジョーブラウンを調べていたらこちらにたどり着きました。懐かしかったのでコメントさせて頂きましたが、デッドストックのジョーブラウンは凄いですね。
投稿情報: TAKU | 2013/06/05 20:30