山道具のなかでも特にピッケルの進化(形状の変化)には驚かされる。僕らが雪山や氷を始めたばかりのたかだか17年ほど前には、まだストレートシャフトのものしかなかったような気もするけど、今や、ベントシャフトどころかZ状のシャフトになっていたり、バナナだ、ハンドルだ、トリガーだ、リーシュレスだ、ハンマーレスだ、ミックスだ、と賑やかで、久しぶりに山道具屋を覘いてみるとまるで浦島太郎状態になってしまふ。
なかには、「これってどうなのよ??? こりゃ、反則でしょ。」みたいなグロテスクな物まである。(って言いすぎか?) 口にくわえてみたり、肩にかけたり、アンダーで引っ掛けたり、フィギア4だのフィギア8だのと、う~~ん !??? ワシはもうついて行けましぇ~ん
普通にオーソドックスなピッケルが欲しい。さすがにウッドシャフトを愛でるような趣味はないけれども、職人さんが1本1本丁寧に作り上げる名刀のような、「岳人の魂」と本気で呼べるような逸品はもう作れないのだろうか。また、作っても売れないのだろうか。
僕の愛用するピッケルは、「シャルレ・モザー(charlet moser)」一筋です。
写真左から、「グロットバイル」と「グロットピッケル50cm・55cm・60cm」・「パルサーバイル」と「クォークバイル」。クォークのみ、毎年マイナーチェンジを繰り返しながらも現行モデルの定番商品として生き残っている。
グロットはズシッと重いが、それがまた頑丈そうで安心感を与えてくれる。 made in France らしい気品と風格のある名刀で、職人の魂を感じる逸品だが、シャルレ・モザーが10年ほど前にペツルに買収されて、「シャルレペツル」なんて太陽神戸三井銀行みたいな変に長い名前になってしまってからは、時代の流れか、大量生産できないからなのかラインナップからは外されてしまった。残念。
以来、シャルレペツル製品は、徐々にシャルレ色が薄れてきてしまっているようだ。
そのうちに完全にオリジナルシャルレの名前は消えてしまうのでしょうか。寂しい限りです。
ps1;アイスミックス時代の幕開けとなった本、ジェフ・ロウ「アイスワールド」(1998/山と渓谷社)には、グロットやパルサー、パルサーの弟分のクェーサーコンパクトを使って、ツララやミックスを登っている写真がたくさん使われています。大ヒットしたクォークが鮮烈デビューする少し前ですねぇ。
ps2;アイゼンは、「スーパー12」と「M10」がお気に入りなのですが、シャルレファンとしては当然、軽アイゼンまでもが charlet moser 製品です。とにかく頑丈です!
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