イギリスの名クライマー、ドン・ウィランスが考案した『トロール社のウイランス・シットハーネス』。こいつも名品で、定番ギアでした。
三ツ峠などで岩トレをしていた頃、ほとんどの人が履いていたように思う。 その後、“落ちること”を前提としたフリークライミングが進化してきてからは、「落ちると逆さまになりやすい」とか、「落ちると玉が潰れる」とかいった悪い噂が流れて、チェストハーネスとの併用が奨励され、そのうち他社のレッグループ型のハーネスがメインになり売れなくなってしまったらしい。実際には逆さまになったり、玉が潰れてしまった悲しいクライマーなどにはお目にかかったことはないが、わしも玉が潰れるのはイヤなので、以降はブラダイやペツルのレッグループ式のハーネスを使用しています。(ちなみに現在はペツルのアジャマを愛用。ペツルのハーネスは折り返しの必要がないので安全性が高いのです。)
しかし、いったいいつ頃に絶滅してしまったんだろうか?(実はまだ市販されているのでしょうか?)上の写真のモデルのあと、ロゴも含めて大幅なデザインチェンジ(いまいちカッコ悪かった)した黒い後継モデルは、10年ほど前に見たことがあるんだが…。
さすがにフリークライミングで使用するのは怖いけど、沢登りや、特に雪稜などではアイゼンを履いたまま装着できるという点や、付けていて全くストレスを感じないといったメリットがあるので、ウチでは現役でいつでも出番を待っています。
昨年のこと 、三ツ峠の「四季楽園」で飲んでいたら、隣りのグループの一人の方がこの懐かしいハーネスを履いていたので思わず声をかけてしまった。聞けば故・堀田弘司さんが産み落としたシャモニクラブの人で、「これがイイんだよね!」と話が弾んだ。“クラシックな岩場では、クラシックなスタイルで岩登りをしてみる”、というのもなんとも粋でカッコイイかも…と思った。もっとも、三ツ峠が初めて登られたころには、ザイルは腰に直巻きでハーネスなどは無かったのですが…。
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