天気図と同様に、地形図を読む(読図)力は山ヤさんの必須技術でしょう。これは学生時代にワンゲルで藪山を這いずり回って徹底的に教えてもらいました。おかげさまで、コンパスと国土地理院の1/2.5万図さえあれば、山で現在地を失ったことはいままでに1度もありません(エッヘン!)。
コンパスは定評のあるスウェーデンのシルバ社製。シルバとはラテン語で“森”という意味らしい。なかでも、タイプ3は、山ではもっとも使いやすい。写真のものは3代目ですが、僕は学生時代からずっと、このタイプ3を愛用しています。
「玉さん!イマドキはGPSっスよ。」だなんて、また誰かに言われてしまうかもしれない(ちなみに、当会の若い衆のことではありません、あしからず)。自慢じゃないが、僕はGPSは持ってないし、スマホも(持ってはいるけど)見ないし、ビーコンさえ山に持っていったことがない(←問題発言か?)。 山にはそういった便利すぎる電気仕掛けの最新兵器(とくにデジタルもの)は、できれば持ち込みたくないし、必要性を感じないから。
地形図も天気図も完璧にマスターしている人がそういった道具を非常用として使うのならいいが(まぁ、そういう人は使わないか。)、どちらも勉強しようと努力せず、パソコンやGPSを使って嬉々としているような人は山をやめたほうがいい(←また問題発言か?)。 山の面白さをまったくわかっちゃいないのだ。道具を上手に使いこなしているような気になっているだけ、道具に頼ってしまっているだけで、逆に道具に使われているようだし、第一つまんないじゃん。わざわざ文明社会から離れて自然の中に入っていくのに、そんなものを使ってしまっては、ただでさえ小さな日本の山をますます小さくしてしまうようで…。
そもそも、「山は自分の頭で考え自分の力で解決していくものだ」と思う。 できれば身一つで登りたいが、裸で登るわけじゃなし、なるたけ必要最低限の山道具だけで登りたいものです。そして、「あ、俺いま自分の力で登ってるZE!」って感じること、こそが楽しいんだし、それがまた自分の登山力になる。その繰り返し。一歩一歩確実に経験を積み重ねていくことが大切なのです。
何だか便利すぎるモノに頼っているばかりじゃ、本当に自分の力で山に登ったとは言わんのですよ。ズルや近道には必ず落とし穴があるものです。
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